最近恋愛から犯罪に発展してしまうケースが増加していると感じるのは、おそらく私だけではないでしょう。ストーカー、ドメスティック・バイオレンス、果ては殺人まで、恋愛を引き金として犯罪が多発しています。諺に「かわいさ余って憎さ百倍」とありますが、最近の身勝手な恋愛事情をよく表現しているのかもしれません。 　また、失恋から立ち直ることができずに、自殺する人も結構いるようです。男女交際が盛んな昨今に、とても古典的で少し驚きですが、どうやら事実のようです。 　このような状況が続けば、日本の将来を担う若者の心の成長が危ぶまれることは、想像に難くないでしょう。 　ところで、恋愛は全ての男女の人生に訪れるものなので、我々が生きているこの世界を「人生の学校」と考えるならば、恋愛は、必須科目であり、避けては通れない、我々の全人格をかけた人生の総力戦の一つです。 　しかし、国語や数学などの教科ならば、学校や塾の先生方が教えてくれますが、「恋愛学」という教科はなく、学校や塾の先生方では教えることができません。また、友人や先輩に尋ねても、意見がバラバラで、余計に混乱してしまうおそれがあります。ご両親には相談し辛いかもしれません。よしんばご両親に相談できても、心理カウンセラーでない限り、限られた人生経験だけで適切な助言を導き出すのは、かなり難しいことでしょう。 さて、心理カウンセラーは、恋愛等における様々な疑問に対する答えをある程度学んでいるので、有効だと思います（若干名、経験が不足していて、取って付けたような助言しかできない心理カウンセラーもいますが…）。 本書は、心理カウンセリングに、二千年以上の歴史を持つ仏教、儒教、キリスト教の教えを取り入れ、恋愛の観点から導いた結論となっております。 文章にすることによって、あなたは、恋愛で発生する様々な問題の考え方を学ぶことができますし、何度も確認できます。 　私は、心から、心からあなたに素晴らしい恋愛をしてほしい、年頃のお子さんを持つご両親等の方々に良きアドバイザーになってほしい、本書を学んだあなたが、恋愛で悩む兄弟姉妹や友人を救ってほしいと願い、本書を完成させました。 　あなたが、本書を読むことによって、抱えていた悩みを少しでも解決し、未来を明るいものと実感できたら、筆者にとって、これほどうれしいことはありません。